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ISO45001 労働安全衛生マネジメントシステム(OH&M MS)とは

ISO45001は「労働安全衛生マネジメントシステム」の国際規格です。働く人の労働に関係する負傷や疾病の防止、安全で健康的な職場環境(=労働安全衛生)を提供することを目的とし、継続的に改善する仕組みの実現に必要な事柄(=要求事項)を定めた規格となります。
ISO45001の取組みにより、業務内容の見直しを行い、業務手順等の文書化し、定めたルールの実施とその記録、実施状況の点検と改善を行ってゆくことで、負傷・死亡に至る労働災害や、疾病を防止するための環境づくりに期待ができます。

 

ISO45001は、2018年3月12日(JIS規格は2018年9月28日)に発行されました。背景として、OHSAS18001の普及とILO(国際労働機関)による様々な取り組みにもかかわらず、近年労働災害による死亡や負傷、疾病に歯止めがかかっていない状況があり、ISOとILOが協調し、ISO45001の発行に至っています。

今後OHSAS18001はISO45001への移行期間(3年間)を経て、廃止となります。

ISO45001の活動(PDCAサイクルによる継続的改善)

ISO45001では、PDCAサイクルに基づいた製品やサービスの提供を行う仕組みを作り、実施していきます。PDCAサイクルというのは、計画(Plan)・実施(Do)・点検(Check)・改善(Act)の英語の頭文字をとったものです。

ISO45001のPDCAサイクルによる継続的改善

労働現場における設備や機器をはじめ、作業手順における危険源(労働災害の原因)を洗い出して、それぞれの危険度を評価する。評価した結果、その危険を減らすための対策を決定し、規格において文書化を要求している、および組織において文書化が必要と判断した管理手順を文書化し、労働者へ教育(対策の意味を『認識(規格7.3)』させるため)を行い、定めたルールに従い運用(仕事)する。また、『労働安全衛生目標』を定め、それに従い運用する(Plan~Do)。

労働者が定められたルールに従い運用しているか(仕事をしているか)を確認するための評価(内部監査等)を実施する。ただし、労働者のルール遵守のみではなく、定めたルールが有効か(ルール自体に意味があるのか)の評価も実施しなければなりません(Check)。

内部監査等の評価実施後、不適合やルール見直しの必要性が発見された場合は「改善」を行い、必要に応じて組織の対策や管理手順に反映します(Act)。

危険源とリスクアセスメントについて

◎危険源:潜在的に危険の原因となりうるもの
◎リスク:実際にそれが起こって現実の危険となる可能性を組み合わせたもの

製造現場で、使用している工作機械は取扱いによってはケガをしてしまうものであり(危険源)、実際にけがをしてしまう可能性(リスク)を低減するための対策を検討し決定するプロセスを『リスクアセスメント』といいます。
労働災害を防止するためには、リスクアセスメントは必要不可欠となります。
危険源があるとしても、それがまず起こりえない場合のリスクが低いため、対策を講じる必要はないとの判断になるでしょう。しかし、確率は低くても起こった場合の結果が甚大であれば、リスクは高いということになります。
また従業員だけではなく、工場見学などに訪れる訪問者に対しても「危険源を特定」し、「リスクを認識」し「リスクアセスメント」を実施する必要があります。

ISO45001危険源とリスクアセスメント

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